再生の宿「小田原ヒルトン」
2005年 6 月09日(木)
その昔、その国がバブル景気に浮かれていた頃、国民のための施設を、国民の年金で作りました。建設したのは厚生労働省管轄の雇用・能力開発機構という、なぜ?という機関。総工費は455億円。でも、期待したほど国民は利用しませんでした。その施設は赤字を垂れ流して(民間施設だったら)倒産していました。その後、特殊法人改革の一環で、施設を地元の市がお安く(8.5億円)買い上げ、とある外資系のホテルが運営委託されました。その名前は内緒だけど、Hとんホテル。(あれ?タイトルには実名が・・・)賃貸条件もHとんホテルにとっては悪くはないようです。
プレ・オープンの頃にホテルを訪問しました。ハードは決して悪くはありません。豪華です。巨大なバーデは数種類のジャグージ、室内プールなどを備えた、国内屈指の温浴施設でしょう。テニスコート、バドミントンや卓球ができるアリーナ、トレーニングジムなどのスポーツ施設も立派です。ゆったりとしたお風呂も、なかなかのものでした。
でも、トレーニング不足か、夕食の料理はなかなか出てきませんでした。ある程度は仕方ありません。グランド・オープン前だということも知って来ている訳ですから。今は改善されたのだと思います。部屋の壁紙が陽に焼けて、家具を動かした跡がはっきり残っていました。これもリニューアルの改装前のこと。これも改善されたのだと思います。
しかし、何かすっきりしない。その原因はなんでしょうか。例えば、スパウザという名前の公共施設だった頃の備品がそのまま使われています。Hとんが最初から建設していたら採用しなかったであろうチープなものが。それも再生のための経費節減だと納得しなくもありません。でも、利用者とすれば中途半端な気持になります。誰のための再生?安い費用で公共の宿を利用している訳ではないのに。
次回はと期待しています。快楽の宿として心地よく利用できることを。